アメリカ英語?イギリス英語? いいえ、英語は英語

英語学習

イギリス英語 or アメリカ英語 どっちを勉強するべき?

私が英語のプロとして参加している「スピークバディ英語学習Q&A」で、このような質問が寄せられました

正解はないとは思いますが、私の答えは、

  • アクセントにこだわりすぎず、英語を一つの言語として学習する
  • 世界共通語として、アクセントよりも伝わることが大切
  • 発音は、一緒にいる相手、置かれた環境になじむもの



この記事では、私の考えや知識と、新たに調べたことを備忘録的にまとめます

英語話者の人口についてのデータは、外部サイト The English Club「世界の英語人口15億|日本も急増中!英語を習得すべき8つの理由」を参照させていただきました

英語を母語とする様々な国

先ず、母語としての英語の中でも、二大規範と言われるのが、

  • アメリカ英語
  • イギリス英語

アメリカ英語の発音にごく近いのが、

  • カナダ英語(語彙、スペルはイギリス英語に近い)

そして、イギリス英語から派生したのが

  • オーストラリア英語
  • ニュージーランド英語

最近の TOEIC など試験では、様々な国の人のアクセントで出題されています

英語とは、アメリカとイギリスだけのものではない、という立場が表れていると感じます

アメリカ英語ばかりで勉強している人は、たまにはイギリスのニュースを聞いてみるなど、他の国のアクセントにも慣れておくのが良さそうです

アメリカ英語は日本になじんでいる

一般的にアメリカ英語と言う場合、それはアメリカの中西部で話されている言葉のこと

General American 、略してGAと呼ばれます

世界中のネイティブスピーカーの7割がアメリカ人



参考までこちらが、アメリカ英語で話すスティーブ・ジョブズ氏のスピーチ動画です

‘You’ve got to find what you love,’ Jobs says | Stanford News
This is a prepared text of the Commencement address delivered by Steve Jobs, CEO of Apple Computer and of Pixar Animation Studios, on June 12, 2005.

日本で使われている英語教材や教科書の多くがアメリカ英語を使用

また、単語レベルで考えた場合、イギリス英語に比べて、アメリカ英語は日本になじんでいるものが多くあります

例えば、地下鉄は日本ではアメリカと同じくsubwayとい言うのに対して、イギリスはunderground
エレベーターは、日本とアメリカはelevator ですが、イギリスはlift です

他にも建物の一階はアメリカ英語では first floor ですが、イギリスでは二階に当たり、一階のことは ground floor と言います

でもほとんどは共通の言葉なので、あまり気にしなくても大丈夫

こちらは、3つの国の単語の違いが分かる動画

イギリス英語は日本人にとって発音しやすい

標準イギリス英語とは 容認発音(Received Pronunciation)略してRP のこと

世界中のネイティブスピーカーの約7割がアメリカ人なのに対して、英国人は1.5割

割合はずっと少ないです

ただ、かつてイギリスの支配下にあった国々に言語の影響があることを考えると、イギリス英語を話す国はたくさんあります

イギリス英語の参考には、こちらの動画をどうぞ

登録者数900万人を超えるLucy さんのYouTubeチャンネルです

English with Lucy
Learn beautiful British English (modern RP) with English teacher Lucy Bella Simkins

イギリス英語は、アメリカ英語よりも日本人にとって発音しやすいように感じます

例えば、Rの音は、アメリカ英語では喉から発声したり、舌を巻く、とも表現され日本人は苦手ですが、イギリス英語ではもっと控え目ですし、発音しないRもあるからです

こちらは、3つの国の発音の違いが分かる動画

アクセントの違いより、英語を英語として学ぼう

私の考えは、小さな違いを気にする前に、英語を英語として勉強しよう、ということです

イギリス英語も、アメリカ英語も、その他の国の英語も基本的には同じ言語です



世界の人口の中で考えてみます

現在、英語を話す人は、世界人口の2割

その中には、

  • 英語を母語とするネイティブスピーカー
  • 第二言語、または外国語として英語を話す人々

が含まれ、イティブと非ネイティブの割合は1:3

英語を使って友達になったり、仕事をする場合、相手がネイティブスピーカーである確率は思ったより低いわけです

さらに、ネイティブスピーカーの過半数がアメリカ人で、イギリス、カナダ、オーストラリアとつづく・・・

つまり、

世界に1000しか人口がいないとして

英語を話す人が200

ネイティブは50人

そのうちアメリカ人が35人

イギリス人は7~8人

こうして見ると、どこの国の英語をお手本にするかは、大した問題ではない気がしてきます

アクセントを気にする前に、英語を一つの言語という大きなくくりで考えたほうが良さそうです

とにかく、先ずは基本となる語彙と文法を覚えることが先!

世界共通語として重要なのは、「伝わる」こと

英語話者の割合は世界人口の2割ですが、その他にも、英語を公用語とする国があります

さらに英語は、

  • インターネット上で最も使われる言語
  • 科学、医学、テクノロジー、スポーツ、ビジネスでの共通言語

でもあり、もはや世界共通語

そこで、それぞれの母語まなりがあるとしても、「伝わる」ことが重要になります



どこの国のアクセントでもなく、理解し合うための言語として英語を使う

国際英語論

English as an International Language (EIL)


という考えも広まっています



日本人も「ジャパニーズイングリッシュ」でいいけれど、最低限、伝わる発音は身に着けたほうが良さそうです

発音は、置かれた環境になじむもの

英語の発音は、置かれた環境に自然になじんでいくものです

これは、communication accommodation theory(CAT) と呼ばれる論理で、人は関わる相手に順応するというもの

Lukeさんの動画で学びました

17:00分からがcat についての話

かつて日本に数年住んだ時には、ルークさんご自身も、日本人のように頷く癖がついたり、一緒に働いていたオーストラリア人の発音に影響された、と体験談も紹介しています



そういえば、私は引っ越しが多かったのですが、自然にその土地の言葉を使うようになりました

地元(中部地方)の同級生も、大阪へ引っ越したら関西弁になりました

イギリス短期留学中には、やはりイギリス英語の発音を真似するようになりました

発音しやすいうえに、響きが心地よくなってきて、イギリス英語っていいなあと思ったものです



人は言葉によって仲間意識を感じます

その場に溶け込むために、行動が相手に同化するのも自然な反応

これを利用すれば、英語を使って働く場合は、意識的に現地の発音、同僚の発音に近づける方が、人間関係も円滑になることでしょう

海外に移住したり、英語を使う環境で働く予定がない場合は、発音は、好みで決めたらいいのでは、と思います

聞いても話しても、その「音」が心地よい英語なら、勉強も楽しくなります

ちなみに、オンラインレッスンの先生からは私の英語は、ニュートラルなアクセントだと言われました

とにかく目の前にある教材音源で練習してきた結果かもしれません

でも、レッスンでは、生徒が混乱しないように、教材音源に近い発音を心がけています

世界共通語としての英語について まとめ

もう一度、私の意見のポイントをまとめます

  • 小さな違いにこだわらず、英語を英語として学ぼう
  • どこかの国のネイティブのマネではなく、世界共通語として「伝わる」ことが重要
  • 発音は、一緒にいる人や、置かれた環境に自然になじむもの

「あなたの話を聞きたい!」と思わせる内容を、分かりやすい英語で話せたら素晴らしいですね

この記事を書くことで、理解が深まりました

また、新しい気づきがあったら、記事を更新したいと思っています

最後までお付き合いくださりありがとうございました

コメント